INFO&COLUMN
お知らせ&コラム
HOME > お知らせ&コラム一覧 > お知らせ&コラム詳細
Column
24/10/19
オッタントットの看板メニュー!ポルケッタってなに~??

目次
この記事を音声で聞くには ▶ をクリック
3日間かけて仕込むポルケッタ
今日のテーマはオッタントットの看板メニューのポルケッタです。
ポルケッタには、山口県萩産のむつみ豚というブランド豚を使っています。4kgぐらいある1枚丸ごとの豚バラ肉に塩を振って、にんにくのすりおろしをすり込んで、フェンネルシードというスパイスを散りばめます。その丸ごと4kgの豚バラ肉をぐるぐるっと棒状に巻いて、タコ糸でぎゅっと縛って形を整えます。
この状態、オッタントットでは「モスラ」と呼んでいます(笑)

味を染み込ませるために一晩寝かせて、翌日に110℃~120℃くらいの低温でじっくり焼きます。
ちなみに例えばグラタンなら200℃くらい、ケーキは160℃~180℃くらい。鹿肉のローストだと、フライパンで焼き色を付けた後にオーブンに入れて170℃~180℃くらいの温度で火を入れていきます。これを聞くとだいぶ低い温度だということがおわかりになるんじゃないかと思います。
丸ごと4kgの豚肉をそんな低温で焼くので、つまりは時間がかかります。だいたい10時間前後、モスラはオーブンの中にいます。
焼き上がりの目安は硬さです。焼き始めの最初は硬くて、持ち上げても形 が崩れません。それが時間をかけて焼いていくと、モスラがぶりんぶりんと震えるようになります。低温調理でタンパク質の状態が変化して、肉の繊維が柔らかくなっているんですね。このぶりんぶりんが焼き上がりの目安です。
焼き上がっても、その日には提供しません。いったん冷まして、柔らかいうちにラップで2重3重にぎゅっと巻いて、綺麗な形に整えます。これをやらないと、重みで形が潰れて楕円形になってしまうんですよね。そうなる前に形を整えて、一晩冷蔵庫で寝かせます。
そして注文が入った際に1人前150g程度にカットして、表面をフライパンでカリッと焼き上げます。これだけだと中はまだ冷たいままですので、さらにオーブンに入れて中まで温めてお客様にご提供しています。冷蔵庫でいったん固まったポルケッタが、温まると再びぶりんぶりんになります。
サラダを添えて、10年熟成のバルサミコ酢のソースをかけて、マスタードと一緒に召し上がっていただくと絶品!
オッタントットのポルケッタはこんな感じで3日がかりで作っています。
箸で切れる柔らかさと豚肉の旨味!
味付けはシンプルなのでむつみ豚の豊かな味わいを堪能できて、豚肉にありがちな硬さや脂っこさがまったくないお料理です。肉の繊維感はほどよく感じつつ、お箸で切れる柔らかさなんですよ。脂身はとろとろで、身の部分はほろほろと崩れていきます。
豚肉の硬さや脂が苦手なお客様も、「柔らかしいし思ったよりあっさりしてるし、いくらでも食べられる!」とよく驚かれます。高齢のお客様もペロッと1人前召し上がるんですよね。
ポルケッタはもともとイタリアの郷土料理で、おそらくルーツは子豚の丸焼きです。子豚の内臓を抜いた部分ににんにくやハーブやスパイスを詰めて丸焼きにしたものがルーツだと僕は思うのですが、諸説は色々あるので、一説によるとくらいの感じで受け取っていただければと。
日本で子豚の丸焼きを出すことはなかなか現実的ではないです。まず子豚一頭丸ごとを仕入れられない。なので豚の一部分を使って作ることが多いです。お店によっては豚ロースを使うところもあります。
オッタントットでも豚ロースを試してみましたが、ちょっと硬く仕上がりました。焼き時間や温度などでもっと変わったのかもしれないし、豚ロースで上手に美味しく作られているお店もあると思います。でも僕のやり方だと豚バラ肉の方が美味しかったので、以来ずっと豚バラ肉を使っています。
アレンジも自在なポルケッタ
うちではメイン料理としてポルケッタを出してますが、現地イタリアでは薄くスライスしてサンドイッチの具にしたりします。これももう絶対美味しいです。
ドネルケバブってありますよね。棒に巻き付けた肉を焼いて、薄く削ぎ切りにしてピタという薄いパンに野菜と一緒にはさんでソースをかけて食べる。ポルケッタはもともと子豚の丸焼きなのでそれに近くて、薄く切ってサンドイッチにするというのがメジャーな食べ方だったりします。
オッタントットでは、テイクアウト限定なんですが、ポルケッタ丼というメニューを提供しています。ごはんの上にサラダを載 せて特製のドレッシングをかけて、薄めに切ったポルケッタを載せて、バルサミコ酢で食べる丼です。

1,200円という割と高級な丼だと思うのですが、これが根強いファンがいる人気メニューなんです。毎回ポルケッタ丼というお客様もいて、中毒性があるようです。
マルシェ出店の際は、ポルケッタバーガーを出しました。仕込めるだけ仕込んで持って行ったんですが、1~2時間くらいで完売してしまって、非常に人気でしたね。
そんな感じで、色んな食べ方ができるポルケッタです。オッタントットでメイン料理として食べるもよし、丼や単品をテイクアウトしてご自宅でアレンジするもよし、ぜひ召し上がってみてください。