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25/12/29
必ずしもアルデンテが正解じゃないと思うオッタントットです

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今年、素晴らしいスーパーマシンを導入しました。そのスーパーマシンとは…っ!「キッチンタイマー」ってやつです。「えぇぇぇ~っ、今さら?!」って声が聞こえてきそうですが(笑 )。はい、皆さんもよくご存知のあのキッチンタイマーです。
今年半ばに導入したんですけど、これめちゃくちゃ良いですね。なんで今まで使わなかったかなと思うんですけど、なんかね、ちょっとカッコつけてたのかな?
今回はキッチンタイマーからの、パスタの茹で時間についてお話してみようと思います。
キッチンタイマーの導入
今までパスタを茹でる時にキッチンタイマーを使ってなくて、その時々で様子を見ながらちょこっと噛んでみたりして茹で具合を確認してました。
メニューを変更したりする中で、ちょっとパスタのオーダーが増えてくるかもしれないぞと。そうなってくると、いちいちチェックしていると間に合わなくなるので、キッチンタイマーを4つくらいまとめて買ってみました。
これがもう本当にめちゃくちゃ良くて。残り時間が割と大きく表示されるタイプを買ったので、時間が可視化されるんですよね。
だから茹で上がるまであと3分半あるなと思うと、じゃあちょっと今の間にあれをやろうとか。あとは、やばい、あと残り時間2分しかない、急いでソースを用意しないと!みたいなね。段取りを組むのに役立っています。
いちいち茹で加減のチェックをしなくてよくなると、頭の中のリソースがかなり空くんですよ。これけっこう大きなことで、忙しくなってくるとパスタの麺のチェックが割とストレスになっていて。
残り1分くらいで茹で上がりそうと思ってからの1分間が気が気じゃないっていうか、気になってしょうがないんですよね。
あとは本当に当たり前のことなんですけど、いつも同じくらいの状態になって茹で上がってくるので、安定しているのがいいですね。
そういった良いことばっかりで、おそらく世の中の皆さんが普通に使っているキッチンタイマーを遅ればせながらデビューしたオッタントットです。
パスタの茹で時間
キッチンタイマーを使うようになったら、パスタを何分茹でるのかをまず決めないといけないじゃないですか。だからそれを決めるために試しに茹でてみて、自分が上げたいタイミングが何分なのかを測ったわけです。

普段使っているディチェコの12番というスパゲッティを測ってみたら、12分で僕が上げたいなって思う茹で具合の麺になっていました。
他にはリングイネっていうロングパスタ。スパゲッティみたいな長いパスタなんですけど、ちょこっと太い感じで断面が楕円形になっていて。
平打ちのタリアテレとかフェットチーネとかの平べったい麺と断面が、丸いスパゲッティとのちょうど中間みたいな感じです。
メーカーによって太さとかちょっと違ったりするのでまちまちだと思いますけど、僕が使っているリングイネがカンポフィローネというイタリアのメーカーで。僕が茹でたら14分くらいでちょうどいい茹で加減になりました。
だいたいこんなもんだろうって把握してたんですけど、ちゃんと測ったことがなかったので、いつもの茹で時間が今回初めてちゃんとわかった感じです。
そして改めてメーカーの袋に記載されてる推奨時間を見てみたんです。いつも袋から出してタッパーに大量保管みたいなことが多いので意外と袋を見てなくて。
ディチェコのスパゲッティ、こちらは推奨時間12分でピッタリでしたね。アルデンテなら10分って書いてあったかな。
カンポフィローネのリングイネ、こちらは推奨時間が8分でした。え??8分??って。このリングイネ、前述したように僕が茹でてみたら14分だったんですよ。
これはイタリアのメーカーですし、イタリア国内向けに作られていて、日本人向けには作られてないんですよね。イタリア人の感覚からすると、8分推奨なんです。8分は硬いぞ、これはアルデンテとかではないぞ、イタリア人ってどんな感覚なんだよってけっこう驚きました。
アルデンテの概念
アルデンテって日本でも一般的に知られてますよね。なんとなく髪の毛1本分の芯がある状態みたいな、そんなことも皆さんご存じなんじゃないかな。
メディアの影響とかもあって、アルデンテ信仰とも言えるような状態にあると思うんです。パスタはアルデンテじゃないと!とか、一般の人でも言ったりしていますよね。
これに関して、僕はあんまりアルデンテを強く意識してはいないです。茹で過ぎないようにとかは気を付けていますが、アルデンテでなくてはならないとかは思っていません。
実はイタリア人でもマチマチというか、結局これ言うと全部そうなんですけど、人それぞれなんですよね。日本人シェフでもイタリア人でも、みんなアルデンテをすごく意識しているかというと、割とそんなこともなかったりするわけです。
アルデンテは言葉の意味としても、歯ごたえがある状態っていう意味なんですよね。だから髪の毛1本分の芯があるとかも言ったりしますが、これは本当に例えみたいなもんで、要はちょうどいい歯ごたえがある状態が美味しいよねっていうことです。

パスタのちょうどいい歯ごたえとは?
ちょうどいい歯ごたえってやっぱり人によって違いますよね。歯が悪くなってきたお年寄りや子供だったら、柔らかいほうが食べやすいと思うし、若い人だったらちょっと硬めのほうが好きみたいなこともあるでしょうし。
ラ・ベットラ・ダ・オチアイというお店の落合シェフは、日本で一番有名なイタリア料理のシェフと言っても過言ではない、レジェンド級のシェフです。
若い頃読んだ落合シェフの本にこう書いてありました。
「麺を多少茹ですぎても気にしないでください。そんなことで落ち込まないでください。ソースの味が決まっていれば、多少茹ですぎてても美味しいパスタになります」
これはすごく覚えているというか、それはそうだよねって思いまして、ずっと心に留めている言葉でもあります。
あと僕がちょっと気になっているのが消化のことですね。芯が残っている状態ってやっぱり胃に負担がかかって消化によくないなと思って、僕はあんまりアルデンテを意識しないようにしてます。
決してアルデンテにこだわっているお店を否定するものではないです。それはやっぱりそのお店の感性でもあ ると思うし、実際やっぱり歯応えがある状態も美味しいですから。
テレビドラマ化もされた「バンビーノ」って有名な漫画があります。イタリア料理のレストランが舞台になっている漫画です。
深夜にスタッフのまかないを作るっていう話があったんですよね。なんかこれは先輩後輩の勝負みたいな感じで、先輩がアルデンテンでバチッと決めたのに対して、後輩の方はちょこっと柔らかめに麺を茹でていたんです。
それを一番トップのシェフが食べてみて、なんでこんなに茹でたんだって後輩に聞くと、みんな仕事終わりで疲れてると思ったので、消化しやすいようにちょっと柔らかめに茹でましたって答えたんです。
僕はそういう感性の方がいいなと思っていて。
レストランとしてはアルデンテで出すべきなのかもしれない。アルデンテが求められていればなおさらですよね。アルデンテで食べたいお客さんがいればアルデンテで出すべきなのかもしれないけど。
やっぱりさっきも言ったように、相手がお年寄りとかお子様とかの場合は、アルデンテじゃない方が優しい場合もあるよなって思います。
なので、アルデンテが常に正解というわけではないんです。
イタリアにおけるアルデンテ
僕は昔、よく本を買っていて。イタリア料理の本とか読んでると、そこに出てくるシェフたちにはイタリアで修行してきた方がかなりの数いらっしゃいます。
その方たちはレストランで働きつつ、休みの日を使って田舎のほうに行って、地元の小さなお店の料理を食べたり、なんならその辺のおばちゃんの家に行って食べさせてもらうとか、そういうことをしてるんですよ。

日本の冷製パスタってしっかり氷水で締めて、ギュッと冷やして、ちょっと硬めの食感で食べるみたいなことをしますよね。
イタリアも一応冷製パスタみたいなのはあ るんですけど、麺を茹で上げて、皿の上にバーンと上げてほったらかす、みたいな冷まし方なんですよね。だからどっちかというと常温ですよね。
そういう冷まし方だと、どうしたって麺はどんどん余熱が入って芯がなくなって柔らかくなるし、ちょっとボソボソした感じにもなるかな。本に出てくるイタリアの田舎や家庭の冷製パスタってそんな感じで、それをみんな平気で食べてるわけです。
なので案外イタリアでも、アルデンテ絶対!ではないんですよね。
茹で加減とパスタソースの相性
ちなみに僕はペペロンチーノとかだと、アルデンテというか、歯ごたえがある感じに仕上げてますね。ペペロンチーノは具材がないので、麺を食べるパスタなんですよね。
麺をしっかり食べるには、やっぱりちょこっと食感があった方が美味しいかなと。ちょっと茹ですぎてしまうと僕的にはちょっと気持ち悪い感じがしちゃいます。
それに対して、クリームソースやトマトソースとかのどっしり系、しっかりした味付けのパスタだと、けっこうしっかり茹でてあげた方が美味しいと思っています。
麺とソースの一体感みたいなのがあった方がいいんですね。麺にソースが乗って絡んでくるような状態。あんまり固めに茹でてしまうと、クリームソースとか本当に乗ってこないので、そういうこだわりはあります。
アルデンテにこだわっ ているわけではなくて、ソースとの相性であったりとか、食べる方の年齢や体調とか、オッタントットではそういうことを考慮しながら調整してご提供しています。







