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26/6/30

ポルケッタって何なん?オッタントットの名物を改めて語ります

目次

アリッチャのポルケッタはちゃんとルールがある

皇帝ネロもポルケッタ好きだったらしい

日本ではまだ少しマニアックなポルケッタ

オッタントットのポルケッタは豚バラ肉

味付けは塩、ニンニク、フェンネルシード

8年やって、焼き方も少し進化しました

カカオニブをのせるようになった、ちょっといい話

世間ではマイナーでも、オッタントットでは大人気


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今回は改めて、オッタントットの名物料理、ポルケッタについて深掘りしていきます。


実は、「ポルケッタ」関連の検索ワードでオッタントットのWEBサイトにいらっしゃる方がけっこう多くて。皆さん興味を持たれているんだなということで、ポルケッタのおさらいというか、勉強をしていきたいなと思っております。



アリッチャのポルケッタはちゃんとルールがある

ポルケッタはイタリアの伝統料理です。オッタントットでは豚のバラ肉を使っていますが、イタリアでは豚の丸焼きのことをポルケッタと言っています。ローマ近郊のアリッチャという小さな町の名物料理です。


この伝統的な豚の丸焼きは、豚のお腹を裂いて、骨と内臓を全部抜きます。肉と皮だけにした状態で、塩、ニンニク、ハーブなどを詰めて棒に刺し、じっくり焼いていきます。


豚の丸焼きを炭火でじっくり焼く昔ながらのポルケッタの作り方

皮はパリッと、肉はガッツリな感じですよね。こうやって皮をパリッとさせると、冷めて翌日になっても皮のパリッと感がなくならないらしいです。それをそのまま食べたり、パンに挟んでパニーニとして食べたりします。


EUが定めているIGPというものがあるんですけど、めちゃくちゃざっくり言うと、「この地域の特産ですよ」という判子をEUが押している、みたいな感じです。アリッチャのポルケッタはこのIGPに認定されています。


他の例で言うと、同じイタリアではモデナのバルサミコ酢。あとはスコットランドのスコッチウイスキー。そういったIGP認定を受けているのが、アリッチャのポルケッタです。


IGPの規定によると、「ポルケッタ・ディ・アリッチャ」にはメス豚を使わなければいけない。なおかつ調味料として使えるのは、塩、胡椒、ニンニク、そしてハーブのローズマリーしか使用してはいけない規定になっています。


なので、ポルケッタ・ディ・アリッチャ以外のポルケッタも存在します。フランスのシャンパーニュ地方で決まった製法で作られるスパークリングワインのみがシャンパン(シャンパーニュ)と呼ばれて、それ以外のスパークリングワインも存在するのと同じですね。


ちなみにポルケッタを仕込む専門の職人さんも職業としてあるようで、それも驚きでした。すごいですよね。



皇帝ネロもポルケッタ好きだったらしい

ポルケッタは歴史がかなり古く、2,000年前には食べられていたのではないかと言われています。


人類最古のレシピ本と言われている「アピキウス」というものがあります。正式には「デ・レ・コキナリア」、料理書とか料理の本とか、そういう意味のタイトルです。


マルクス・ガビウス・アピキウスという、希代の美食家みたいな人が考案した料理であったり、当時の貴族たちが食べていたようなちょっと豪華な料理のレシピであったりを、後世の料理人たちが編纂したのがアピキウスという本なんですよね。


古代ローマの料理書を思わせる、重厚な雰囲気の開かれた古い本

4~5世紀ぐらいに書かれたと言われているこの本の中に、ハーブやスパイスを詰めてローストした小豚、という記述が数回にわたって出てくるそうなんです。これがポルケッタなんじゃないかと。


キリスト教に関するお祭りだと思うんですが、5月の春の収穫祭というものがありまして。日本でいうと、五穀豊穣祈願みたいな感じでしょうか。この収穫祭で大地の実りの女神に捧げる料理として、ポルケッタが作られていたんですね。


大地の実りの女神の名前が「マイヤ」で、マイヤに捧げる料理として「マイヤーレ」と呼ばれ、豚肉のことをマイヤーレと言うようになったそうです。


5月の春の収穫祭の「5月」は英語で「May」ですよね。Mayの語源になったのも「マイヤ」と言われています。


そして暴君として有名な、ローマ帝国のネロという5代目の皇帝がいます。この暴君ネロ、ポルケッタが大好物だったとアリッチャでは言い伝えられているということです。


ポルケッタ、歴史が濃いですね。



日本ではまだ少しマニアックなポルケッタ

日本にポルケッタが入ってきたのはおそらく1990年代、バブルの頃かな。いわゆるイタ飯ブームみたいなものがあって、パスタやピザだったり、そういうカジュアルな料理が日本に入ってきた時期があったと思います。


そんな中で、ポルケッタはちょっとマニアックな料理だったので、いわゆるトラットリアとかリストランテとか、本物にこだわるシェフたちが一部作っていたんじゃないかな、と想像されます。


ちょっとマニアックな料理人が作る、マニアックなお客さん向けの料理。そういう位置づけだったんじゃないかなと思います。


インターネットやSNSが広まっている現代、少しずつ認知が上がってきて、何かしらでポルケッタを知った人たちが、Googleで「ポルケッタって何なんだ」と検索して、オッタントットのWEBサイトにたどり着いているんじゃないかなと思います。


サラダとマスタードを添えた、オッタントットのポルケッタの一皿


オッタントットのポルケッタは豚バラ肉

オッタントットのポルケッタは、豚バラ肉を使っています。このふるふる感、見てください!



他のお店では豚の肩ロースを使っているシェフもいますが、国内では豚バラを使っているところが多いと思います。


僕も肩ロースで一回やってみたんですけど、やっぱり普段と同じ作り方でやってしまうと、ちょっと硬く仕上がってしまって、柔らかくならなかったんですよね。なので豚バラに戻しました。


ただ、やり方次第では柔らかく仕上がったのかもしれないな、とは思うので、またチャレンジしてみてもいいですね。僕もどっちかというと、バラよりロースの方が好きなので。


現地イタリアでは、当然豚の丸焼きパターンもありますが、レストランではちょっと現実的じゃないということで、豚肉をぐるっと巻いたものもあるらしいです。


豚ロースを芯にして、その豚ロースの周りをさらに豚バラで巻くという二段構えでやっているらしいですね。そのスタイルがメジャーだという記述も見つけました。どう考えても、すごいデカくなるような気がするんですけど、どうなんでしょうね。


僕も同じようなことを、ジビエでやったことがあります。イノシシでポルケッタをやってみたいなと思って。モモとか部位的にあまり大きくない部位をバラで巻いて、それでポルケッタみたいにしたことがあります。


そういう技術、技法も実際にあって。バラの脂のジューシーさと、モモだったりロースだったり、中に巻いている肉の赤身のしっかりした肉感、その両方を楽しめます。



味付けは塩、ニンニク、フェンネルシード

調味料は、塩、ニンニク、そしてハーブのようなスパイスのような位置づけのフェンネルシードですね。フェンネルという野菜の種です。


僕が以前ポルケッタを調べた時に、現地では塩、ニンニク、野生のフェンネルシード、これが欠かせないんだと書いてあるのを見て、フェンネルシードを使っています。


フェンネルシードはイタリアでは一般的なスパイスですが、日本ではちょっと珍しいスパイスかもです。イタリア系の輸入食材屋さんから仕入れているんですが、時々欠品したりもしているので、貴重は貴重なのかも?


ポルケッタの味付けに使う、木のスプーンに入ったフェンネルシード

イタリアではハーブやスパイスをふんだんに使うレシピが基本になっています。冷蔵庫が完備されてない時期が長かったはずですから、肉の保存状態もあまりよくなかったでしょうし、臭みを消すためにそうしていたのが続いているのかなと。


現代においては冷蔵技術も発達していますし、何より肉質がすごくいいですね。日本は、ある意味、畜産においては最高レベルの肉を作っているんじゃないかなと思ったりもします。


質の好みはあるとは思いますけどね。どっちかというと日本は、脂をいかに甘くするか、脂をいかに乗せるか、サシをどれだけ入れるかとか、そういう方向性が多い感じです。それはそれで美味しいですけど、赤身の方が好きという方には苦手かもしれないですね。


イタリア産の豚はあんまり見たことがないんですが、スペインの方はイベリコとか使ったことがあります。やっぱりちょっと硬い、は言い過ぎかもですが、日本みたいに脂がすごく乗っているという感じではなかったです。


とにかく質に関しては、日本の豚はすごくいい。臭みもそんなにないので、ハーブやスパイスをたくさん使う意味あるかな?と考えた時に、マストじゃないなと思ったんですよね。


そういうのもあって、必要ないと思ったものを省いていくと、塩、ニンニク、フェンネルシード、この3つに落ち着きました。



8年やって、焼き方も少し進化しました

提供方法に関しても、もう8年やっていますから、若干進化してきています。豚バラを巻いて丸ごと焼いて、1日休ませた後に、オーダーごとにカットするのは変わりません。


以前はカットしたものをフライパンで表面焼いて、パリッとさせてから、オーブンに入れて中まで温めるという方法をとっていました。


今は、フライパンのみで完結させています。カットしたものをフライパンでじっくり弱火で焼いていると、ちょうど表面がパリッとなったぐらいで、中まで温まっている状態になるとわかったので。


フライパンの質とかにもよりますけど、この方が表面のパリッと感が出やすくて美味しいと思っています。




カカオニブをのせるようになった、ちょっといい話

お皿にのせた後の仕上げに10年熟成のバルサミコ酢をかけて、ポメリーマスタードを添えています。そして以前はピンクペッパーをかけていましたが、最近ではカカオニブを使っています。


お隣の飯塚市に「カカオ研究所」という、ビーン・トゥ・バーのチョコレート屋さんがあって。ポルケッタがお好きな社長さんが、食べながら、「ポルケッタにカカオニブが絶対合うと思うんですよね」ってカカオニブを持ってきてくださったんです。



邪魔も全然しないし、それでいて酸があるような香りのものは脂感を中和してくれるような感じで、確かに合うなと思って。


何しろ社長の熱量がすごかったので、カカオ研究所さんが言うのであれば、これはもう使った方がいいだろうということで、最近ではカカオニブを使っています。


ポルケッタの仕上げにも使われる、香ばしいカカオニブ

そしてやっぱり野菜も食べてもらいたくて、サラダもたっぷりつけております。イタリアンパセリも欠かせないですね。お肉を食べる時はイタリアンパセリと一緒に食べてもらいたいなと思います。



世間ではマイナーでも、オッタントットでは大人気

まだまだマイナーなイタリアの伝統料理、ポルケッタですけど、篠栗町のオッタントットなら食べられます。いつでも食べられます。常にあります。極力切らさないようにしています。


煮込んでもないのにこんなに柔らかいの?って驚くこと間違いなしです。オッタントットの名物ですから、自信をもってご提供いたしますので、ぜひ召し上がってみてください。

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